生誕から遠くはなれて

   10月2日。昼過ぎに起床し、四条〜三条河原町のほうまで京阪電車で出かける。夕食はスパゲティ。本当は鮨を食べたいような気がしていたのだけど、「鎌倉パスタ」の看板を見たときに和風パスタを食べるという考えに傾き、そのまま入店。魚介のカルボナーラ。頼んだあとで気がついたのだが、カルボナーラの気分ではなかった。紅茶でお口直し。

   丸善で買い物して河原町通からちょっと奥まった小路を進んだところにあるカフェ"ELEPHANT FACTORY COFFEE"へ。昨年の春、心理検査をしてもらった臨床心理士さんに教えてもらったお店。この辺りでは珍しく深夜0時過ぎまでやっていることを知って、この二度目の訪問は夜。この前は元ガールフレンドと付きあい始めた日に来た。今日はカウンター席。隣の若い客はトーマス・ベルンハルトの「凍」と表紙に大きな字で書いてある単行本を読んでいる。僕は控えめな灯りの下でナンシー・フレイザー『資本主義は私たちをなぜ幸せにしないのか』を読む。暗いところで読んでいるうちに目が疲れ気分が悪くなってきたので出る。資本主義は僕たちを幸せにしないなあ、と思いながら鴨川に沿って歩いて帰る。夜9時。心地よい夜風が吹いていた。夜、外を歩いているとセンチメンタルな気持ちになり、良くない考えが沸く。ブログを書こうと思った。ブログの名前は『感情から遠くはなれて』にしよう。結局、変えた。はあ、生まれちゃったなあ、どうしよう、と、そんなことをまだくよくよ悩んでいる、2023年の秋の口。1994年の生誕から遠くはなれて。